難病PLSとともに生きる落水洋介さんが語った「小さな一歩から人生を変える」ヒント

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〜Change/me特別セミナー開催レポート〜

5月4日、福岡県にてChange/me特別講演会「100万人に1人の難病になってわかった今を生きる幸せ」を開催しました。

ゲストは、進行性の難病「原発性側索硬化症(PLS)」とともに生きる落水洋介(おちみず ようすけ)さんです。

Change/meは、美容や健康だけでなく、「心の在り方」や「人生の選び方」にまで寄り添うブランド。内側からのケアを通じて“変わる力”を育むことを目指し、生き方そのものに向き合うマインドも大切にしています。

そんな想いから、難病と共に生き、自らの力で人生を切り拓いてきた落水さんをゲストにお招きしました。

「できないこと」を数えるのではなく、「できること」を探し続けてこそ、人生は変わり出す。

この考えを軸に、「できない」と思い込んでいた自分から少しずつ変わっていけた背景をお伺いしました。

「変わりたいけど一歩が踏み出せない」「できない自分を責めてしまう」

そんな時には誰かの物語が、あなたの背中をそっと押してくれるかもしれません。

【登壇者紹介】

落水 洋介

1982年生まれ、北九州出身。

幼少よりサッカーをしており、小学生時代は日本代表にも選出されたFW大久保嘉人選手とともに北九州市の選抜チームでプレーを経験。

社会人になり化粧品メーカーで営業・商品開発を経験。2013年に原発性側索硬化症という100万人に1人の難病を発症。

少しずつ身体・手足・口が動かなくなり、いずれ寝たきりになる。

現在は全国で講演活動やライブイベント、テレビや各メディアの出演など精力的に行っている。

2021年に株式会社PLSを設立し、全国での講演会は年に100回以上。誰もが生きやすくなる居場所づくりを目指して活動している。

自己紹介と病気の発症

「ALS(筋萎縮性側索硬化症)という病名は聞いたことがある方も多いかもしれませんが、私の病気『PLS(原発性側索硬化症)』はそれとは少し違います」

静かにそう語り始める落水さん。

「PLSは足がだんだん動かなくなり、手も動かなくなり、しゃべることもできなくなって、やがて寝たきりになります」

そうした過酷な進行性の病とともに生きながらも、落水さんは穏やかに言いました。

「今が人生で一番幸せです」

会場は静まり返りつつも、誰もが真剣に聞き入る空気に包まれます。

幼少期〜社会人時代の挫折と葛藤

(大切な仲間たちの笑顔に囲まれて Instagramより)

落水さんは幼少期から運動が得意で、サッカーで北九州選抜チームにも選出された経験があるほど。

「でも、運動ができることを鼻にかけていたせいで、いじめられたりもしました。それ以来、人の目が怖くなって、ずっとネガティブに生きてきました

社会人になってもやりたいことが見つからず、なんとなく入社した会社は「超ブラック」。

「朝礼では30分以上怒鳴られる日々。でも、ここをやめると自分に何も残らなくなりそうで怖かったんです。だから頑張って我慢して、いつの間にか体も心もボロボロでした」

そんな中、落水さんは2013年に30歳でPLSを発症。

スポーツマンだった落水さんにとって「歩けなくなり、手足や口の動きも少しずつ制限されていった」という現実は、想像を超えるものだったに違いありません。

絶望的とも言える状況から、どのようにして「前向きな自分」へと変化していったのか——その鍵となったのが、「前向きは“訓練”で身につけられる」という考え方でした。

前向きは「訓練」で身につけられる

(電動車椅子で、各地のイベントや講演会に出向く Instagramより)

落水さんの転機は、「意味のつけ方」を変えたことだったといいます。

「目の前で起こっている出来事には、実は意味はない。意味をつけるのは自分なんです。だからどうせなら、明るくポジティブな意味をつけた方が絶対良いと思うんですよね」

ネガティブな状況にポジティブな意味をつける練習を日々行ったことで、考え方が変化していきました。

例えば「講演会で『話がスベったらどうしよう?』じゃなくて“今日のブログネタができた”と思えばいい」など、失敗もネタや次の挑戦への原動力に変えるよう意識すること。

「前向きは才能ではなく、練習で身につけられるんです」

そう語る落水さんですが、決して最初から前向きになれたわけではありません。

徐々に自由が失われていく恐怖と絶望。

「なんで自分ばっかり?」「何もできなくなったら、自分には生きてる価値なんてない」

そんな思いに苛まれ、スマホを開くたびに『寝たきり 安楽死』などのネガティブなワードばかり検索していた日々。

「でもある日ふと『寝たきり 仕事』で検索してみたことから、少しずつ気持ちが変わってきたんです」

いよいよここからが、落水さんのChangeの始まりです。

小さなチャレンジから未来が変わる

転機となったのは、SNSでの「寝たきりでも社長をしている人たち」や「難病でも楽しく生きている人たち」との出会いでした。

「自分もあんな明るい未来がほしいと感じ、ブログを始めました。寝たきり社長のような方と違って、僕は凡人。それなら凡人を武器にしてやろうって」

拙い文章に恥ずかしさを覚えながらも、ブログの更新を続けたという落水さん。

そのブログが、友人から友人へと広がり…ある日、奇跡的な瞬間を迎えます。

「元サッカー日本代表の大久保嘉人選手が僕のブログを見つけて、試合中に僕の名前のTシャツを掲げてパフォーマンスをしてくれたんです」

(「落水洋介負けるな」のTシャツを掲げた大久保選手の
パフォーマンスが話題に アメブロより引用)

その投稿は6万件以上のアクセスを記録。小さなチャレンジが、大きな変化につながった瞬間でした。

「ブログだって、最初の一歩は書いては消しての繰り返しでした。病気になる前は全くチャレンジしなかった自分が、今ではチャレンジしまくってます。正直失敗ばかりだけど、もう失敗にも慣れちゃいました」

と、落水さんは明るく話します。

質疑応答と落水さんの言葉

講演を終えたあとも、一人ひとりの目を見て、丁寧に応える落水さん。

その言葉には優しさと強さ、そしてユーモアがにじみ、背中を押されて涙する人の姿も見られました。印象的だったやり取りの一部を紹介します。

Q.「落ち込んだ時、どう立ち直っているのか?」

「今週も正直嫌なことがあって、気持ちが沈んでいました。

でも、前向きな意味をつける練習を今も続けています。感情に支配されるのではなく、理性的に“未来を変えるためにどう意味づけするか”を考えるようにしています」

Q.「恋愛と病気の関係について」

「恋愛って難しいですよね。でも、病気を理由に距離を置くのは、もったいない。自分の全部を受け入れてくれる人といればいいんじゃないでしょうか。

僕も“できないことだらけな自分”を愛してくれる人がいれば、それで十分だと思っています」

Q.「自立と“頼ること”のバランス」

「自立とは“支え合える関係”のこと。何でも一人でできることではありません。頼られた側も“ありがとう”と言われると嬉しいし、頼られることで人はつながっていく。

頼ることをネガティブに考えず、関係を築いていって欲しいです」


「過去は変えられない、病気は治らない、失敗したものはしょうがない。ならば、どうすればポジティブな未来や明るい結果につながるか?」

落水さんはいつも、前向きに考えるようにしているそうです。

「チャレンジは人生を変えるんです。無理しなくても、小さなことからでもいい。失敗しても大丈夫だから」

その言葉に、きっと会場の誰もが背中を押されたことでしょう。

編集部後記

「人生の出来事には、自分で意味をつけられます。どうせならポジティブな意味をつけて、チャレンジして、未来を明るく変えていきましょう!」

落水さんの言葉は、自分にできることを一つひとつ拾い上げ、人生に希望を見出す力を与えてくれました。

できないことを数えるのではなく、「できること」を探し続けてこそ、人生は変わり出す——そんな落水さんの生き方こそ、Change/meが目指す“自分の可能性を信じて変わっていく”姿そのものです。

Change/meは、そんな一人ひとりの「変わりたい」に寄り添うブランドです。サプリメントによるインナーケア、ヨガやピラティス、管理栄養士による食事相談、そして今回のような講演会や学びの場。

心と体の両面から整える——それが、Change/meの目指す“内側から美しくなる”という変化のかたちです。

「未来は、考え方とチャレンジで変えられる」

落水さんの姿は、その選択を続けた先にある“幸せ”を証明してくれました。

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